30分でPythonの開発環境を作る
Pythonはコンピューター言語の一つでたくさんの人に使われています。メリットは以下の通りです。
簡単に学べる: Pythonは読みやすく書きやすい言語で初めてプログラミングを学ぶ人にも良い言語となっています。
たくさんの用途: Pythonはいろいろなことに使えます。会社業務のプログラムを書いて省力化したりゲームを作ったりウェブサイトを作ったり科学の計算をしたりできます。
たくさんのツールがある: Pythonには多くの「ライブラリ」というツールがあります。これは、新しい機能を追加したり、特定の作業を簡単にするためのものです。例えば、数学の問題を解くためのライブラリや、絵を描くためのライブラリなどがあります。
コミュニティが大きい: 世界中にPythonを使っている人が多くいるためインターネットで質問したりできる場所が多くあります。
キャリア選択の幅が広がる: 多くの仕事や研究でPythonが使われているため、さまざまな職種や業界で働く選択肢が広がります。
この記事ではPythonのインスト―ルを行ったことがない方や初学者を対象に、Visual Studio CodeでPythonの開発環境を構築する方法を紹介します。
初めての方でも30分ほどで無償で構築できると思いますのでぜひチャレンジしてみてください。
構築手順について
この記事では以下の順に構築しサンプルコードの動作確認まで行います。
- Visual Studio Codeをインストールする: 開発環境をダウンロードしてインストールします。
- 必要なプラグインを導入する: Pythonを利用するためにVisual Studio Codeにプラグイン(追加の便利機能)を入れます。
- Pythonの実行環境をインストールする:Pythonの実行環境をダウンロードしてインストールします。
- サンプルコードを動かす: 開発環境ができたら、サンプルコードを動かしてみます。
- サンプルコードをデバッグモードで動作させる: サンプルコードをデバッグモードで動作させ、処理がどのように行われているか把握します。
Visual Studio Codeをインストールする
vscode ダウンロードと検索してリンクをクリックします。

下図のボタンを押下します。
※自動的にダウンロードが進みます。

以下ファイルがダウンロードされるのでダブルクリックします。
※ダウンロード時点のバージョンでファイル名は若干変わります。

同意するを選択して【次へ】ボタンを押下します。

インストール先はこのままでよいので【次へ】を押下します。
※筆者はこのインストール環境ではworkというユーザでログインしているので
c:\Users\work\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Codeがインストール先となります。

こちらも【次へ】を押下します。

デスクトップ上にアイコンを作成するをチェックして【次へ】を押下します。
※起動に便利ですのでチェックをお勧めします。

【インストール」ボタンを押下します。

インストールが進みます。

インストールが完了したので【完了】ボタンを押下します。

完了ボタンを押下するとVisual Studio Codeが実行されます。

これで、Visual Studio Codeをインストールするが完了となります。
必要なプラグインを導入する
日本語化する
インストールした直後は英語となっているので、日本語のプラグインを入れます。
1.画像左のブロックがプラグインを追加する機能なので押下します。
2.検索窓に「japanese」と入力します。
3.Japanese Language Pack for Visual Studio Codeの【Install】ボタンを押下します。
インストールはすぐに終わります。

画面右下に、Visual Studio Codeの再起動を促すボタンが表示されるので押下すると日本語化されます。

Visual Studio CodeのPython拡張機能を入れる。
Visual Studio CodeがPython言語をサポートできるようにします。
サポートできるようになるとIntelliSense(Pylance)、リンティング、デバッグ、コードナビゲーション、コードフォーマット、リファクタリング、変数エクスプローラー、テストエクスプローラーの機能が備わります。
※上記記載の単語はプログラムを何度か動かしていると自然に覚えるので、覚える必要はありません。
1.検索窓に「python」と入力します。
2.Pythonを選択して【インストール」を押下します。

Python Indentを入れる
ソースを記述する際のインデントをサポートする機能を入れます。
インデント(字下げ)は、コードの構造を明確にするために非常に重要な役割を果たします。
Python Indentの【インストール】を押下します。

autoDocstring – Python Docstring Generator を入れる
関数等を読みやすくする機能を入れます。
プログラムが複雑化して関数やクラスを多用する場合に重要な役割を果たします。
autoDocstring – Python Docstring Generator の【インストール】を押下します。

インストールしたプラグインを確認する。
1.検索窓のpythonを消去します。
2.インストール済の表記に変わります。
以下5個のプラグインがインストールされます。
※PylanceとPython DebuggerはPythonをインストールすると自動的に導入されます。

これで、必要なプラグインを導入するが完了となります。
Pythonの実行環境をインストールする
Pythonの実行環境をダウンロードしてインストールします。
python ダウンロードと検索してリンクをクリックします。

Download Python のボタンをクリックするとダウンロードが進みます。

ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。

Use admin privileges when installing py.exe
Add python.exe to PATH
に必ずチェックをいれてください、チェックを入れないとうまく実行できなかったりPATHが通っていない等のエラーが発生します。
そのあとInstall Nowをクリックします。

インストールがスタートします。

セットアップ完了のメッセージがでますので【Close】ボタンでとじます。

これで、Pythonの実行環境をインストールするが完了となります。
サンプルコードを動かす
サンプルコードを動かして動作確認をしてみます。
この例ではドキュメントフォルダにtestpyフォルダを作成してプログラム配置場所とし、そのフォルダの中にサンプルプログラムを配置して動作確認します。
ドキュメントフォルダにtestpyフォルダを作成します。

プログラムを配置するフォルダを開きます。
1.画面左のファイルマークを押下します。
2.フォルダーを開くを押下します。

先ほど作成したtestpyフォルダを選択して【フォルダーの選択】を押下します。

以下のようなメッセージが出たら【はい、作成者を信頼します】を押下してください。

TESTPYフォルダが選択された状態となります。

プログラムのファイルを1つ作成します。
1.新しいファイルのボタンを押下します。
2.ファイル名にtest_user_folder.pyを入力します。

画面のようになります。

以下サンプルコードをコピーして貼り付けします。
import os
def get_user_download_folder():
"""
ユーザーのダウンロードフォルダを取得するための関数
Returns:
str: フォルダパス
"""
# ユーザーフォルダのパスを取得
user_folder = os.path.expanduser("~")
folder = os.path.join(user_folder, "Downloads")
return folder
# 動作確認用コード
folder = get_user_download_folder()
print("ダウンロードフォルダのパス:", folder)
このような形となります。

表示メニューから、ターミナルを選択して動作確認がわかりやすくなるようにします。

ターミナルが表示されます。

画面右上の実行ボタンを押下して、サンプルコードを動作させるとターミナルに出力されます。
この例では、ダウンロードフォルダのパスを取得するサンプルコードですので、
ダウンロードフォルダのパス:c:\Users\work\Downloads
が実行結果として表示されます。

これで、サンプルコードを動かすが完了となります。
サンプルコードをデバッグモードで動作させる
デバッグモードで動作させるとプログラムを1行ずつ動作させて確認したり、変数の中身を見ながら動作確認が可能となります。
デバッグモードにするには画面左の実行とデバッグボタンを押下します。

デバッグ実行の例として11行目の左にマウスでブレークポイントを置きます。

【実行とデバッグ】ボタンを押下してデバッグします。

処理が実行されて、11行目で止まります。
画面左上の変数user_folderに値が入っているのが見て取れます。

画面上部で操作が可能です。
左から続行、ステップオーバー、ステップイン、ステップアウト、再起動、停止となっています。

それぞれの意味は以下の通りですが、利用してみたほうがわかりやすいです。
続行 : デバッグ中にプログラムを一時停止している場合、続行を選択するとプログラムが次のブレークポイントまで実行されます。ブレークポイントがない場合はプログラムの終了まで実行されます。
ステップオーバー: 現在の行を実行し、次の行に移動します。このとき、現在の行に関数呼び出しが含まれている場合、その関数の内部には入らずに関数全体を一つのステップとして扱います。
ステップイン : ステップオーバーと似ていますが、現在の行に関数呼び出しがある場合、その関数の内部に入ります。つまり、関数の最初の行にブレークし、その関数内部でのデバッグが可能になります。
ステップアウト: 現在の関数の残りの部分を実行し、その関数を呼び出した行に戻ります。これは、関数の内部でデバッグを行っていて、もはやその関数内のデバッグには興味がない場合に便利です。
再起動: デバッグセッションを再起動します。これは、プログラムを最初からやり直したいときに使用します。プログラムの最初の状態に戻り、再びブレークポイントからデバッグを開始できます。
停止: デバッグセッションを終了します。このコマンドを選択すると、デバッグ中のプログラムが停止し、デバッグモードが終了します。
プログラム開始はどこ?
今回ブレークポイントを11行目に置きましたが一番最初に動く部分が気になると思います。
場所は17行目のfolder = get_user_download_folder()
から動き出します。以下の図のように関数の外側から動き出して呼び出した関数が動くというイメージを持っていただければよいです。

これで、サンプルコードをデバッグモードで動作させるが完了となります。
最後に
以上がPythonの開発環境を構築する方法です。
Pythonはプログラミング言語の中でも特に学習しやすく多用途にわたって非常に便利な言語で初心者にも理解しやすいシンプルな構文を持ち、短期間で基本的なプログラミングの概念を習得することができます。
ぜひ開発環境を構築しPythonの学習を始めてみてください。
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